アルピーヌA110用 ハイパフォーマンスマフラー開発準備中 ④

続きのお話

 

③のお話で、車検対応マフラーとして販売するにはとても厳しい試験をパスしなくてはならないとお話しました。

では、具体的にはどうすれば良いでしょうか。

 

 

音量を下げること自体は簡単です。

マフラーパイプ径を細くし、サイレンサー容量を大きくしたり排気抵抗を発生させる隔壁構造などを採用すれば音量は下がります。ただ、みなさん想像出来るように音量と共に高回転域の出力も落ちてしまいます。

 

マフラーのメインパイプ径を絞って音量を落とす場合、『低速トルクの確保のため』、と表現することがあります。

事実は事実ですが、現代の車両はマフラー径を太くしてもほとんど低速トルクは落ちません。

言い方を変えれば、マフラーを細くしてもそれほど低速トルクは増えません。

エンジンマネージメントが昔に比べて格段に優秀だからです。

そもそもにしてエンジン本体で低速トルクを確保する仕掛けが採用されています。

 

当社では音量を保安基準内に収めつつ、低速トルクを確保(維持)し、高回転域の出力向上を狙っています。

そのためには①のお話で触れたように、純正のマフラーバルブ機構を利用するのが最善です。

 

そこで、A110世界初となる車両ECU出力信号を利用し駆動させる、専用マフラーバルブモジュールを開発しました。

 

当初は、純正マフラーに装着されているマフラーバルブアクチュエーターをそのまま交換用マフラーに移植すれば良い、と考えていました。

 

ところが、この純正マフラーバルブアクチュエーターはサーキット走行を行っていると高確率で壊れます。

熱害でモーターギヤが溶け、シャフトが空回りする壊れ方が多いようですね。

加えて、このアクチュエーター、単体の供給設定がなく純正マフラーASSYで購入しないと入手できません。

 

となると、当社が販売するマフラーに純正マフラーバルブアクチュエーターを転用した場合、熱害などでアクチュエーターが壊れて修理する際に純正マフラーASSYを購入しなくてはならないという事態に陥ります。

さすがにそれは現実的ではありません。

 

そのため、純正部品供給に左右されない専用マフラーバルブモジュールASSYを開発する事となりました。

万が一、熱害でアクチュエーターが破損しても当社からアクチュエーター単体での供給が出来るので、安価に素早く修理が可能となります。(補修用アクチュエーター価格は¥9,000以下予定)

そのことは、売って終わりではなく末永く使っていただくためには最良の選択と考えています。

 

なお、このバルブモジュールはプログラム変更でメガーヌRSにも使用できるように設計しています。

 

次回は、実際の開発の様子をお伝えしたいと思います。

 

 

 

A110 マフラーバルブ制御モジュール試作
A110 マフラーバルブ制御モジュール試作